包丁のお話(続編)
日本には古来から「刀」の文化があり、
包丁という分野においては世界でも異質な歴史があります、
もともと、魚を食べる島国の文化ですので、
いきなり出刃包丁が出現したのか、というとそうではなく、
最初の包丁は刀の原型通り、「刀型」だったようです、
奈良の正倉院にある刀型の包丁が最古の包丁とされていますが、
西暦700年くらいの話ですので、鎌倉時代や室町よりはるか昔に包丁があったことになります、
元々は中国から伝わった包丁ではあるのですが、
ちょっと論文的になってしまうので、割愛しますが、
[ 中国の「荘子」にその原文があります(庖丁)= ほうてい)は人の名前)
また「包丁」は中国語ではなく日本独自の呼び方です、
中国では中華包丁のことを菜刀(ながたな)などと呼びます)
実はこの包丁が現代の形を作り出すまで、江戸時代の中頃まで進化がなかったようです、
一番最初に包丁として、刀型から形を変えたのはやはり「菜切り包丁」で、
その後で、出刃包丁や刺身包丁が形(かたち)作られたとのこと、
それが1700年〜1800年ごろ、それまでは包丁と言えば、小刀(こがたな)だったのです、
結局食文化が発達しない時期は包丁も進化が少なく、
「料理」という日本文化ができ始めて包丁も進化したということになります、
余談:
(昔の庖丁式が始まったのも小刀が最初でそれが今でも伝統として残っています=西暦860年頃、
「光孝天皇」(こうこうてんのう)の勅命で、
「藤原山蔭」(ふじわらのやまかげ)が「四條流庖丁儀式」(しじょうりゅうほうちょうぎしき)を創始)
ともあれ、刀の文化が根強い日本では、世界とは一線を画した包丁の歴史があります、
繊細な何十行程を経て作られる日本刀のような和包丁は、
江戸時代中頃まで遡っても、その歴史のエビデンスは浅く、
鎌倉時代に作られた「刀」がもはや室町時代には再現できないほどの出来栄えで、
江戸時代に至っては、使い捨ての刀になり下がって、人を切る刀は、
鳴りを潜めたのではないでしょうか、
そんな風にぼくは考えています。
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