ふぐ (Pufferfish) の危険性について 〜プロ向け〜

 

 

 

ふぐは、18歳の頃から扱い始め、今年で43年目になります(笑)。
天然物も養殖物も捌き、活け〆も泳ぎも経験してきました。

最近では、「養殖のふぐには毒がない」とラジオのコメンテイターが言ったことで、プチ炎上したことも記憶に新しいです。

ちなみに、昔は養殖のことを「畜養(ちくよう)」と呼んでいました。
養殖は卵から孵化させて生魚まで育てたもの、畜養は稚魚を漁獲して人の手で育てたもの、という違いがあります。しかし最近では、畜養という言葉はあまり使われなくなりました。

 

話は少し脱線しますが、先日、魚屋さんと話をしていて
「天然と養殖の見分け方ってありますか?」という話題になりました。
魚屋のプロ曰く、

わかりません

 

 

でしたね(笑)。

俗に「天然物は顔が厳つい」「ヒレが綺麗」「模様が違う」などと言われますが、
これらはすべて都市伝説のような、不確かな情報です。

ちなみに、ふぐの養殖場では天然のふぐとは厳重に区別されています(管理上)。
しかし、ひとたび陸(おか)に上げられるとどうでしょう?

養殖の管理施設から管理者以外の手に渡ると、魚屋でも天然物と養殖物の見分けはほぼ不可能です。
私も何百尾、もしかしたら千尾以上捌いてきましたが、4kgサイズ未満では天然物と養殖物の違いはわかりません。

※ 養殖ふぐは大きさに上限があります。だいたい最大2〜3kgまで。
天然ふぐは5〜10 kgにもなります、よって大型のものは天然物と判断します。

ヒレの綺麗な養殖物も何度も見てきましたし、ボロボロの尾びれの天然ふぐも捌いてきました。

 

 

これは釣られているので明らかに天然物かも知れません。しかし養殖のふぐが生簀から逃げ出して天然化することも多々あります

 

つまり、確かに養殖のふぐは毒素(テトロドトキシン / Tetrodotoxin)が少ないかもしれませんが、

天然と養殖が混ざることがあるんです!

 

そうなると、天然物と養殖物の見分けはほぼ不可能です。
毎日見ていれば、双子の子どもの微妙な違いがわかるかもしれませんが、それでもたまに呼び間違えることがあります。
それと同じで、養殖業者ですら完璧に見分けられるとは限りません。

私はここが大きな問題だと思っています。

市場では天然ふぐは別扱いされますが、購入した人はどうでしょう?
たとえば、天然1本、養殖1本を買った場合、同じ大きさなら名札を付けて区別する必要があります。
実際に、牛の耳につける耳標(じびょう)のような名札を使って管理している業者もいます。

もし間違っても大したことがなければよいですが、
「養殖は毒がないから」とキモを食べてしまった場合には…

あの、

 

死にますから!

 

です。

ですので、自分が死ぬのは勝手ですが、
お客様や客人に提供して、命を奪うことは絶対にやめましょう。

なぜなら、本当に逮捕され、刑事責任を問われるからです!

 

これ養殖ですが綺麗なヒレをしていました

 

ということで、今日はふぐのお話をさせていただきました。
ふぐの試験に合格して有資格者となったら、こうしたリスクを理解し、
ふぐ(トラフグ)の扱いには十分な知識と認識を持って取り組みたいものです。

今度は、さまざまなふぐの種類についても語りたいと思います。

なお、ふぐによる食中毒は、飲食店では管理が行き届いているため滅多に起きません。
しかし、危険なのは「釣魚」です。
毎年何人かが亡くなっており、死に至らなくても軽い症状を含めると数百人にのぼるそうです。

皮に毒を持つものや、身(筋肉)さえ食べられない種類のふぐも存在します。
私たちプロは、しっかり勉強し、念には念を入れ、
生半可な知識や情報に頼らず、危険物の取り扱いに責任を持って携わりたいものです。

世界では「毒性のある食品」として登録されており、
食用として認められているのは日本だけ、しかも有資格者のみが扱えます。

危険なのはふぐではなく「人」なのかも知れません。

 

 

では、安全にふぐを捌き、食べ、提供していきましょう!

 

 

 

 

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